【2026年のSAF市場】加速する原料確保の競争と「地産地消」

【2026年のSAF市場】加速する原料確保の競争と「地産地消」

2026年、日本の空に大きな転換点が訪れています。

国内初の商用SAF(持続可能な航空燃料)製造プラントが本格稼働し、これまで輸入に頼っていた次世代燃料の「国産化」が現実のものとなっています。航空業界が掲げる「2030年に燃料の10%をSAFに置き換える」という目標に向け、今、最も熱い視線が注がれているのが、その主原料となる「廃食用油」です。

本記事では、激化する原料争奪戦の裏側と、関東エリアから始まる「資源の地産地消」の重要性について、最新の市場動向とともに解説します。

SAF市場が急拡大する背景と世界の潮流

現在、国際的な航空業界の脱炭素ルール「CORSIA」が第1フェーズに移行していて、来年の2027年からは排出削減義務がより厳格化されることが予想されます。現在、世界中でSAFの需要が供給を上回る状態が続いており、市場はかつてない活況を呈しています。

CORSIA(コルシア)とは:国際航空業界の排出削減枠組み

CORSIA(コルシア)とは、国際民間航空機関(ICAO)が採択した、国際航空運送によるCO2排出量を制限するための制度です。

引用:国際民間航空機関(ICAO)

その理由は、航空機は国境を越えて移動するため、各国単位の削減目標だけでは不十分であり、世界共通のルールが必要だからです。具体的には、2019年の排出量を基準(ベースライン)とし、それを超えた分をSAFの導入や排出権の購入によって相殺(オフセット)することが義務付けられています。

2024年1月1日から2026年12月31日は「第1フェーズ」と呼ばれ、「世界126か国」と「年間CO2排出量が10,000トンを超える全ての航空会社」がこの枠組みに本格参画しており、SAF市場を牽引する最大の動機となっています。

国際基準の厳格化とSAF需要の爆発的増加

現在、世界の航空業界においてSAFの需要は爆発的に増加しています。

なぜなら、先述したCORSIAの運用が本格化し、排出削減が航空会社にとって「努力目標」から「経営上の義務」へと変わったからです。実際に、欧米の大手エアラインを中心に、2030年までに燃料の10%以上をSAFに置き換える長期契約の締結が相次いでおり、2026年の世界生産予測は過去最高を更新する見通しです。

したがって、SAFは航空会社が国際路線を維持するための「不可欠なライセンス」となっており、その需要は今後も加速し続けると言えます。

廃食用油を巡る世界的な争奪戦の激化

SAFの主原料である廃食用油を巡り、現在世界規模での争奪戦が激化しています。

その理由は、廃食用油が他のバイオ燃料原料と比較して、食料生産と競合せず、温室効果ガスの削減効果が極めて高いと評価されているためです。日本国内で発生する廃食用油のうち、相当量がすでに海外へ輸出されており、国内のSAF製造業者が原料不足に直面するリスクが指摘されています。

貴重な国内資源を安易に海外へ流出させず、国内の供給網を維持することは、日本の航空インフラを守るための最優先課題なのです。

日本国内におけるSAF製造の現在地

日本政府は、2030年までに国内航空会社の燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げています。2026年はこの目標達成に向けた「商用化元年」であり、国内供給網の構築が急速に進んでいます。

具体的には、国内初の商用SAF製造プラントが本格稼働を開始したことで、数万キロリットル単位の安定供給体制が整いました。

また、政府は石油元売り会社に対してSAFの供給を段階的に義務付ける法的枠組みを運用しており、原料となる廃食用油の価値は今後も長期的に安定する見通しです。

関東圏から支えるSAFの「地産地消」と廃食用油回収の重要性

SAFの普及において、輸送コストや環境負荷を抑えるために重要となるのが「原料調達の近接性」です。特に関東エリアは、羽田・成田という国際拠点空港を抱えるSAF活用の最前線にあります。

このエリアで発生した廃食用油を同エリア内で活用する「地産地消」モデルは極めて高い優位性を持ちます。なぜなら、原料の輸送距離を短縮することで、ライフサイクル全体でのCO2削減効果(LCA)を最大化できるからです。

実際に、関東一円から長野県・山梨県・福島県までを網羅する広域な回収ネットワークは、地域資源を効率的に次世代燃料へとつなぐ不可欠なインフラとなっています。地域に根ざした強固な物流網こそが、日本の航空産業の自立を足元から支えているのです。

関東から世界の空へ:廃食用油がつなぐ未来の航空インフラ

2026年のSAF市場は、もはや遠い世界のニュースではなく、関東圏の事業主様一人ひとりの判断が市場を動かすフェーズに入りました。

廃食用油を適切に資源化し、国産SAFの原料として供給することは、企業の脱炭素経営を加速させるだけでなく、日本の航空インフラを守るという大きな社会的意義を持っています。

まずは、関東全域をカバーする信頼できる回収業者へ相談し、自社の廃食用油がどのように空を飛ぶエネルギーに変わるのか、その第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

\ この記事の著者 / 関口 尚紀

[(株) 関口油脂 経営企画室 室長]

関口 尚紀

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