介護施設では、毎日の食事提供によって多量の廃食用油が発生します。
しかし、この廃食用油を適切に回収・再資源化する取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)との親和性が高く、環境配慮とコスト削減を両立できる戦略の一つです。
本記事では、介護施設が具体的に始められるステップ、導入メリット、注意点を解説します。
介護施設におけるSDGsの視点
まず、介護施設がSDGsに取り組む背景と、廃食用油をきっかけに活動を広げる理由を整理します。
介護施設とSDGsのつながり
SDGsには「12:つくる責任 つかう責任」や「13:気候変動に具体的対策を」があります。

(出典:日本ユニセフ協会・公式サイト)
介護施設は日々、食材・エネルギー・洗剤等を多く消費しますから、資源の循環や廃棄物削減への取り組みは自然な延長線上です。また、SDGsを意識した施設運営は、地域や入居先家族からの信頼を高め、CSR(社会的責任)向上にもつながります。
地域における波及効果
介護施設が環境配慮活動を公表することは、地域コミュニティへのメッセージになります。地元メディアや自治体との連携も生まれやすく、地域ブランド力向上のきっかけになります。さらに、職員の環境意識を刺激し、施設全体の持続可能性意識を育てられます。
廃食用油回収による環境効果とコスト効果
廃食用油の再資源化は、ただ「捨てない」以上の価値があります。ここでは環境効果とコスト効果を分けて見ていきます。
環境への貢献
廃食用油は再精製することで、航空燃料やバイオディーゼル燃料などに利用可能です。これにより、化石燃料の使用を抑制し、CO₂排出量削減に寄与できます。

また、焼却処理や下水排出を減らすことで、環境汚染リスクを抑制できます。さらに、食品系廃棄物を燃料あるいは原料に戻す資源循環モデルは、サーキュラーエコノミーの実践例になります。
コスト面でのメリット
多くの業者が無料回収または有価買取を行っているので、廃棄物として処理するより手間・費用がかからないケースがあります。これによって、従来の廃棄処理コストを圧縮できる余地があります。
また、環境配慮を前面に打ち出すことで、施設の付加価値を高め、長期的な信頼構築ができる点も大きなメリットです。
介護施設が取り組むステップ
どの施設でも導入可能な流れをステップ化します。順に進めることで、失敗を避けながら始められます。
ステップ①:社内ルールと分別体制の整備
まず食堂・厨房で使用済み油が発生する場所・時間を整理し、専用容器での分別を行います。水分や残渣混入を防ぐよう、職員向けマニュアルを作成して共通ルールにします。
ステップ②:信頼できる回収業者の選定
地域対応可能で、無料回収または有価買取を行う業者を選びます。回収後の再資源化ルート(工業用原料・燃料・飼料など)を確認することが重要です。
たとえば、関口油脂株式会社は栃木県に本社を持ち、使用済み食用油の買取・加工処理・販売を手がけています。関東近県を対象に回収対応し、初回無料の容器貸出サービスを行っている実績があります。
ステップ③:活動の見える化と情報発信
回収実績や削減効果を定期的に数値化し、施設HPや広報誌で公表します。SDGsを意識した取組みとして対外的評価も高まり、施設イメージを強化できます。
廃食用油リサイクルが広げる『社会貢献の輪』
廃食用油の再資源化は、環境負荷の軽減にとどまらず、社会的なつながりや地域経済の活性化にもつながっています。
福祉・教育分野との連携が進む
最近では、廃食用油の回収によって得られた資金を地域の福祉施設や学校支援に充てる活動も増えています。
たとえば自治体が運営する「廃食用油回収プロジェクト」では、回収油を再生燃料化し、売却益を障がい者雇用の支援や地域イベントの運営費に充てる事例もあります。
介護施設がこの流れに加わることで、地域の他分野との協力体制を築ける可能性が広がります。
次世代への環境教育の一歩に
廃食用油回収は、職員教育や地域交流の題材にも活用できます。
SDGs研修の一環として再資源化の仕組みを学んだり、地域の子どもたちに「資源の循環」を伝える機会にすることで、施設そのものが環境教育の発信拠点になります。単なる廃棄物削減にとどまらず、「学びの場」「交流の場」としての価値が生まれるのです。
持続的な運用のポイントと注意点
導入後も安定的に運用するためのコツと注意事項を簡潔に示します。
- 回収頻度や量に応じて、回収スケジュールを見直す
- 容器の汚損や漏れ防止管理を徹底する
- 回収対象外の油脂混入を避ける(異物混入があると業者で処理できないことも)
- 回収実績を定期的に振り返り、改善点を洗い出す
未来への一歩としての廃食用油回収
介護施設が廃食用油回収を通じてSDGsに取り組むことは、環境貢献・コスト削減・施設価値向上の三重の利益を生み出します。
「SDGsに関心はあるが、何を始めればよいか悩んでいる」という事業者の方には、廃食用油回収こそ最も取り掛かりやすい一歩です。ぜひ、施設規模に応じた実行計画を描いてみてください。
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